活用事例:Gさん ― 通常学級在籍の中学校3年生のケース

Gさんの読みの困難さについて

・Gさんは、英語の読みに困難さがあります。

・英語の読み困難に気づいたきっかけは、アルファベットの書きミス(bとdなど)や、単語の区別(thisとisの間が空いていないなど)がつきづらいといったところからでした。

・スクールカウンセラーに相談してみたところ、フォニックスを強く勧められました。それで1年は何とか対応できましたが、中学2年の学年末で限界がきてしまい、周囲からのサポートも必要と感じ、スクールカウンセラーに再度相談しました。スクールカウンセラーや学校からも合理的配慮についてアドバイスがあり、医療機関を紹介され、英語のディスレクシアの診断を受けました。

・その後、古文漢文の漢字だけ(現代文は問題なく、むしろ読書は好きです)についても、中3になってから困難さも感じるようになり、現在学校と対応を相談中です。

以下、Gさんご本人と保護者のコメントからまとめさせていただきました。

音声教材利用までの対応と音声教材利用のきっかけ

・相談としては、スクールカウンセラーと中学3年の担任にしました。

・担任からも学習の様子で心配されていたようで、テストでも長文を読むと文字が浮き出たり、ちかちかして見えることもあり、気分が悪くなることもある旨、相談しました。

・スクールカウンセラーの方から音声教材について教えていただき、中学3年生の9月末から利用を開始しました。中間テストが10月にあり、どのくらい楽になるのか、成果になるのか、テスト前に試してみたかったのです。

・利用開始が直前すぎてテストに活用とはならなかったけど、1回くらいは聞くことができ、手ごたえは感じました。学びの方法として方向性が見え、気持ちとしては落ち着きました。テストには間に合わなかったけど、ずいぶん楽になる手ごたえはありました。

学習で使用しているもの

・Windows10+Microsoft 365(Word/無料版)やAndroidを使用しています。

・英語学習のため、音声教材の他、英単語アプリ(英単語スペル3600/android)も使用しています。「mikan」もこれから試してみようと思っています。

音声教材を使用している場所

・家庭で使用しています。

・学校への持ち込みはパソコンの破損が心配で、教室移動も持ち運びには重いです。まず家庭でしっかり使えるようになってから、学校での使用も考えています。高校になると学校端末もあるので、そのタイミングで使う予定でいます。

・分からない単語などは、該当単語のテキストをコピペして、Yahooなどで調べています。上に出てきたものを見たり、MacBookの辞書機能で調べたりしています。

利用している音声教材の教科

・英語。国語(古文漢文)はこれから検討予定です。

学習方法

・Microsoft 365のWordの中でもイマーシブリーダー(行フォーカス、背景色を変える、音声読み上げ)を活用しています。

・音声読み上げをした後、シャドーイング(聞いている英語音声の後を追って復唱する英語の勉強方法)をしています。3回聞く→シャドーイングという感じで、1行1文ずつ行っています。

・分からない英単語などは、スマホやGoogle翻訳で調べています。電子辞書だと多機能すぎて、かえって使いづらかったです。

Microsoft 365のイマーシブリーダーを使用している画面のようすです。wordのような画面で、中央にテキストが表示されており、上部にイマーシブリーダーのメニューが表示されています。 メニューには、文字列の幅、ページの色、読んでいる行のフォーカスの有無、テキストの幅、音節、音声読み上げなどの設定ができるアイコンが並んでいます。読み上げている単語にはグレーの背景色がついています。

図1.Microsoft 365のイマーシブリーダー機能
[表示]タブ>[イマーシブリーダー]から使用できます。
読み上げている箇所の行フォーカスや単語のハイライト機能もあります。

紙のプリントや副教材への対応

・紙の教科書はそのまま使用しています。

・学校でのテストでは、合理的配慮を受けています。テストの紙はA4・B4をA3に拡大してもらっています。フォントはもともとUDフォントでした。大学受験でも、このフォントはお願いしたいと思っています。

・テストの合理的配慮については、学校とは段階をふまえてやってみようという話をしていて、今試しているところです。実際にやってみて、時間延長は特に必要なさそうかなと感じているところです。長文については、本当は読んでもらった方が認識しやすいです。代読についても先生から提案はあったので、いずれ試してみたいと思っています。

・パソコンをテストで利用したいとも考えているので、将来的にはそうしたいですが、今は手書きの方が早いです。パソコン入力に慣れてきたら、利用について学校と相談してみたいと思っています。

音声を利用しての学習をしてみての変化

・英文をちゃんと理解できるようになりました。スペルを間違えずに認識できるようになりました。

・単語は、本当はアルファベット読みもさせたいなと思っています。
※事務局注:iPhone、iPadには、英単語のスペル読み機能があります。

音声教材を利用しての感想

Gさんからいただいた感想

すごく英語の勉強が楽になりました。

教科書がパソコンにあるので、少し調子が悪くて休んでも、在宅時に学習できます。

保護者の方からいただいた感想

音声教材の利用とともにテストの合理的配慮なども同時に進めていきました。本人の勉強の仕方が変わり、聞いて覚えるということで意識も変わったと思います。英語の文章もきちんと書ける(単語としての認識もできるよう)になり、声に出して読めるようになりました。

Gさんから、音声教材の利用を考えている後輩へのメッセージ!

救いの道は必ずあるので、諦めないで